棚卸を経理担当者から見ますと、毎月月末に集計された報告書を財務データに転記します。

例えば(下記表の単価は仮の金額です)

6月分:●▲店 棚卸集計表

品目 詳細 在庫 単価・単位 金額
食材(正肉) バラ

モモ

13.5k

24.8k

800円(1k)

850円(1k)

10,800円

21,080円

食材(野菜) 葉物レタス 10ヶ 130円(1ヶ) 1,300円
その他 42,000円
  合      計 75,180円

 

前月末棚卸高(月初棚卸高)60,020円 当月末棚卸高75,180円

6月分:月末棚卸

金額 借方 摘要 貸方 金額
60,020 月末棚卸高 当月 月初棚卸高 (6月) 商品 60,020
75,180 商品 当月 月末棚卸高 (6月) 月末棚卸高 75,180

そして

月次損益推移表 平成29年度

単位(円) 4月 5月 6月 7月 8月
売上高 1,000,000 1,200,000 900,000
期首棚卸高 105,000 80,000 60,020 75,180
仕入高 280,000 360,000 245,000
期末棚卸高 80,000 60,020 75,180
純仕入高 305,000 379,980 229,840
売上総利益 695,000 820,020 670,160

損益計算書では前月末の棚卸(表では期末棚卸高となっている項目)が当月の棚卸額として繰り越されます。

(期首棚卸高の項目に便宜上表示してます。本来は年度末の決算まで期首棚卸高は4月月初の棚卸高のままになります。)

純仕入高が原価となります。売上総利益が粗利(あらり)益です。

純仕入高/売上高 = 原価率(4月:30.5% 5月:31.6% 6月:25.5%)

仕入高/売上高 = 仕入比率(4月:28%  5月:30%  6月:27.2%)

 

経営者はこの損益計算書に示される実績をもって経営判断しています。

この結果に実際の営業の経緯を読み取ることができれば経営判断は正確といえるでしょう。

 

特に優れた経営者や管理者はこの数字を見ると、現場の在庫状況のイメージが頭に浮かびます。

逆に在庫の状態を観察すれば、今月末の棚卸額はこの程度だろうと予測できるようになってきます。

 

あくまで私個人の主観ですが、“給与計算を担当する者はタイムカードを見てその個人の働きぶりや現場での動きをイメージできなければ担当者にふさわしいとは言えない”と思っており、経理担当者も現場から報告として上がってくる数字を見て現場を理解できるようになって初めて管理者と言えると思っております。

管理者を目指す方、今管理者として現場スタッフへ指導する立場の方は、業務と数字の両面から店舗を判断できるようになりましょう!