飲食店において、特に店長、料理長、運営の責任者が必ず指標としているのが、原価率です。
一般的に言えば
A:売上高 - 仕入高 = 粗利益(売上総利益) ですが、正確には
B:売上高 - (月初棚卸高 + 当月仕入高)- 月末棚卸高 = 粗利益(売上総利益)
となります。
Aの場合は、月末の在庫数量が全品目において毎月同数(同価格)にコントロールされている販売店のみ有効です!(実際、現実的にはほとんどありえません。小規模の中古車販売業とか全く売れない物件ばかり抱える不動産業くらいですかね・・)
飲食店のほとんどの場合が、Bに当てはまります。その理由は・・・
- 正肉、魚、鶏肉、野菜 その他にも、価格が変動しやすい材料がおおい
- 毎月のカレンダーで、営業日や月末の曜日が変動する
- 時期(月)によって売上波動があり仕入をコントロールする必要がある
- 予約や入店客の見込みで③のように仕入予測をする
以上の事柄などから月末の在庫が絶対に一致することはないからです!
例えばこれを理解せずに、棚卸をやらない飲食店が「客単価」を導くと、毎月バラバラの結果が生まれてきます!
もし、「うちの店の客単価は毎月変動が激しい」と認識している店舗さんはそれほど棚卸を重要視していないかもしれませんし、業績が落ち込んできたときに、採用すべき改善方法や対策の優先を間違える危険性が生まれます。
飲食店側として、努力する「客単価を上げる」という行動は「棚卸」をきっちり行っているか?
によっても結果が変わる可能性があり、実は一概にその努力は成長戦略上優先順位が正しいと言い切れない場合があります。
- 集客力を上げる努力
- 増加した売上に対する原価率や作業効率を評価し適正に整える
- 新たな商品開発による新規市場の獲得と既存顧客への客単価を上げるアプローチ
この①から③の繰り返しが必要だと思います。客単価を上げる努力の前に適正に評価できる能力が必要です!
業績判断をしっかりと行うためには、棚卸もしっかりと行わなくてはならない!と、いうことだけでも覚えておいてください。
続きます。
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